私が医者に成り立ての頃は、慢性腎臓病(CKD)なんて呼び方は無かった。IgA腎症は予後良性の疾患と教科書には書かれていた。CKDは、別に新しい病気が見つかった訳でなく、いろいろな原因により腎機能(eGFR)が正常の60%以下になった場合や蛋白尿が続く場合をまとめてCKDと呼んでしまおうと言う概念と解釈している。この言葉ができた利点は、患者さんのみならず医療従事者も慢性腎不全になる可能性があるCKDに注意するようになった点にあると思います。以前であれば放置されていた軽度の蛋白尿や顕微鏡的血尿に対してもっと注意深く経過観察する姿勢が生まれたようです。
さて 腎機能が悪いですよと言われた(つまりCKD)場合の治療法は、この30年で少しは進歩したようにも思いますが、画期的な治療薬の登場がないのも事実です。我々にできることは、血圧を下げる事と低蛋白食を勧めることが基本になります。
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